哲学者・数学者偉人列伝その10「エヴァリスト・ガロア」

エヴァリスト・ガロア(Évariste Galois)はフランスの数学者である。数学における夭折の天才として知られている。主に数学における新しい着想を持った、群理論で知られる。往々にしてこういった情報筋が錯綜するのに対して、数学史の研究においてそれは顕著である。ガロアの誕生や業績は理解されていても、その詳細な経歴までもは理解されていないのだ。専門家によってまちまちであり、ガロアがどんな人であったかということは、その数学的な現代評価とはまったく別物である。

陰謀説や暗殺説、あるいは、自分で図った決闘戦にわざと負けたとする説まであり、どれもさだかではないし、これからも新資料が見つかったとしても、それはガロアの生涯を定義するにはあまりに困難な筋道だけ残っている。当時のフランスで、ガロアの数学的業績はまったく理解されていなかったし、評価すら無きに等しかった。その生涯がもし長かったとしても群理論についての理解はおよそ簡単には得られなかったであろう。ガロアの数学はそれほどまでに進歩していたのである。

ガロアの理論について、ハーディは「とある数学者の弁明」にてこのようなことを言っている。「アインシュタインの相対性理論やガロアの群理論は応用技術として社会に役に立つことはないだろう―これは数学における諸問題のうちの大きなひとつだ」と。だがハーディは間違っていた。いうまでもなく相対性理論は核爆弾に応用技術として貢献し、つい先日ようやっと誕生した(長い歴史の中で見れば…)暗号理論にガロアの群理論はかなり応用されている。

藤原は整数論はあと100年たたないと応用されないといっているが、そんなことはない。現に我々が、ビスケットを片手にオンラインゲームに興じたり、あるいは、夫妻が旅行の予約をネットでとることにも、ガロアの数学は役立ち、その脈絡は今も生き続けているのである。

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