子供のための文化思想論説:「新自由主義」ってなに?

みなさんはこの言葉をよく最近テレビで目にすることでしょう。「新自由主義」という言葉です。これは、主に経済的自由を標榜する社会思想のことをいいます。ネオコンと呼ばれるアメリカの外交的タカ派に多くセットで詰め込まれているようなことが多いです。ミルトン・フリードマンを主とするシカゴ学派の内部に属する、新古典派経済学という言葉が本来の正しい言葉の言い換えです。ここでは中立的な立場から解説するのでその是非については問いません。

戦後、やはりこういった新古典派経済学はケインズ経済学と比べて、プレゼンスを増してきました。それも急速にです。リバタリアリズムという言葉やレッセフェール、あるいは「神の見えざる手(invisible hand)」という主義主張に強い影響を受けたり受けられたりしながら発展してきた経済的な放任を主とする思想総体のことをいいます。実は革新系とか保守系とかの概念が入り混じっているため誤解も生みやすい言葉ですね。

ちなみにリバタリアニズムというのは「自由が社会に悪影響を与えない範囲においてもっとも重要であるべき概念だ」という思想のことを言います。いかにも新自由主義ということばとリンクするものがありますね。またレッセフェールは経済は自由放任であるべきで、「神の見えざる手」によって調整されるべきという立場であるべきだとする古典派経済学の本来の意味合いです。本来は新自由主義という言葉自体が誤解を生むものなのですが、この記事では一般的に使われている意味で書いています。

また、この言葉は現代はアメリカやイギリスでは大きいプレゼンスを持っており、金融市場をはじめとして賛同する者は多いです。英米では経済は市場にまかせるべきというレッセフェールの思想が強く、そのほかの欧州ではそれに対する反動が大きいです。前者を政治制度としては「小さな政府」、後者を「大きな政府」と言います。その主義主張や言葉の定義に問題があるため、ネオコンという言葉(アメリカの外交的強硬タカ派のこと)などと結び付けて考える傾向もあります。

もし新自由主義のことに興味を抱いたのであれば、フリードマンの「資本主義と自由」という名著があるのでこれを読んでみてください。合わせてケインズ経済のことや歴代の著名なニューケイジアンの思想と合わせて読んでみなさんが小さな政府を日本で目指すのか、もしくは大きな政府を目指すのか。こればっかりはみなさんが勉強して決めていくことです。日本ではICUの八代先生や池田信夫先生や小泉元首相などがかなりの影響を受けたと一般的には言われています。

さて、ちょっと面白い話を挟みます。実はミルトン・フリードマンの孫でGoogleの社員をしているパトリ・フリードマンという人物がいます。彼はやはりミルトンの孫らしく、新自由主義の立場です。公海上を曳航する巨大な移動船を作って、そこに富裕層向けの無税国家を作ろうという案があるそうです。アメリカではやはりこのたちの話は本当に強くなっていて、「民営化」と呼ばれるサービスは官(政府)がするものではなく民(民間)がするものだという言葉と強くコネクトします。小泉元首相は「官から民へ」と言いましたがまさにあれです。さてですが、公共の裁判所や警察まで民営化していいものでしょうか?実際そういう動きはありますが、これに賛同するか否かはみなさん自身が決めていく未来のことです。

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