特集記事:バンド・デシネ―フランスの漫画

バンド・デシネというのはフランス圏の漫画のこと。静止画を主とした、日本流の漫画の動きはないものが多いのだけれども、それが味を出している。もともとは「タンタンの冒険」とかの風刺に始まって、あれを主としたダイバーシティ的な大きさをもっておおらかなテンポで、スケールをとらえたそれでいて静止的な漫画のことを言います。でもちょっとまてよ?これって読んでみるとわかるけど、魅力なくね?日本の漫画みたいな動きがないんですけど…そういう批判は確かにある。

たとえば、エンキ・ビラル(バンド・デシネの大家)は実は日本の漫画も読んでいるそうで、画集内で二瓶勉と対談している。双方ともに別種の魅力があるということを日本の漫画家漫画ファンも認めるべきなんだが、ちょっと難しい面がある。というのもおおらかな描画があって、さらにアメコミというまた違ったMANGAもあるので、理解しにくい、「範囲外」の”芸術”という印象が強いのだ!

ただ、二瓶は二瓶のような独特な構造的表現をする(建築関係の仕事についていたことがある)のだから、独自に発展してきてそのうちに近頃ラインを超えて大きく相互に影響しつつある…というのが通説である。決してどれが劣っていてそれが進んでいるというわけではない。これは日本国内の漫画の流通や使途の境界線がなくなってきているのと似ている。国富に優劣はあっても、その国の持つ個々の文化に優劣はない。

少女漫画とか少年漫画に境界線を引くのが難しくなっているように、バンド・デシネもまた国の形を超えて、未来の漫画を目指す。それは独自性を追い求める一方で相互に交流もあり影響もある。そのなかにAKIRAという大友の漫画もあって、その最先端がフランスでも人気の二瓶の作品だというのが妥当なところだろう。

二瓶の漫画の中でも国際的な評価が高いのがこの「BLAME!」だろう。シドニアを見たときはやはりいい意味でのこういう漫画も書けるのかというショックだったが、二瓶はやはりこの作品が最高傑作。構造物のありかた、キャラクターの魅力、人間と機械、そしてなによりサイバーパンクとアクションセンスのオリジナリティあるストーリー筋…どれをとっても日本が誇れる漫画といえるだろう。

最初に書いたように、バンド・デシネが駄目な漫画とか「動きがない」とかいっているひともいることにはいる。ただそれは文化への無理解が生んでいる差別だろう。今回ちょっと特集・考察しただけでも、多くの漫画家や漫画文化圏がある。それはバンド・デシネは日本漫画よりかは芸術よりのものであって、よくよく考えれば、文化の衝突なんてものはメタカルチャーにはない、これを意識することがよく考えられたバランス力のある漫画評論なのだ!

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