子供のための文化思想論説:世界最強の半導体企業インテルの失敗と栄光

世界で最強の半導体メーカとして君臨するのがインテルです。社是として、徹底主義を掲げ、高品位なプロセッサを作ることで多くのシェア(デファクトスタンダード)を獲得し、本来日本がやってきたことやるべきことを、インテルはインテル自身のイノベーションによって、アメリカの地でいつでも乗り越えてきました。例えば、半導体メーカとして「ムーアの法則(加速度的な演算処理の進歩法則のこと)」にこだわって、世界でシェアを先進的に獲得しこれを常に技術革新(イノベーション)でもってして維持してきた。まぎれもなく世界で最強の半導体企業でしょう。法則にこだわるためにコア制を持ちだしたのは有名な話ですが…。ですが、そんなインテルでも実は失敗はあります。

これは多くの研究者や実務家の献身的な心掛けで、暴露された大きな事件になりました。いわゆるペンティアムのバグと呼ばれるものです。そのうちインテルがすごく追及されたのは二例あり、このうち最も有名なのが後者の一例です。前者がペンティアムF00Fバグと呼ばれるもので、後者が同じ演算処理システムの後継機であったペンティアムFDIVバグのことです。

前者は、オペランド系の不具合(機械語の属性バグ)で生じる不安定な計算、後者もやはり浮動点計算に基づくバグという基本的なものでしたが、これらは研究者や競合企業からかなり厳しく指摘されていました。というのもこういったバグは改善が必須だとは(立場が違えばという条件付で)いいがたいものだからです(とくに半導体において後者のバグが有名ですが…)。

なぜかっていうと、バグが起こる確率に基づいて、検算していくと、確立条件付的にはやはり必ずバグが生じるからでもありそこがインテルとの分岐点であったと指摘するひともいれば、擁護するひともいたのです。批判したひとの中には、計算機歴史上に残る大きなミスをインテルがおかしたと主張する研究者もいました。彼らにとっては計算機を学問に使うため、確率的には必ずいずれ発生するバグをどこまで許容できるのかという問題だったわけなんですね。

無論、インテルの味方がいなかったわけではありませんが、産業のコメである半導体において世界最強のインテルが初歩的なバグを指摘しされたということで、業界にはすごい旋風が巻き起こって、当初は否定的で改善する必要はないとしていたインテルも、いやいや改善に乗り出したという経緯があります。ここでもってして競合他社のAMDのプロセッサに切り替える研究者が出てきたりしました。彼ら研究者は計算機は絶対な信頼の下に行われる演算処理システムであって、完璧な保証がなければ使う必要性がないとする識者までその中にいたのです。

今ではこの逸話は非常に稀な例ですが、計算機の歴史を振り替える上で、かなり重要なポイントだったとする研究者や計算機学者は多いです。それはインテルの栄光と隣り合わせの失敗でもあった。どこまでを技術の力にまかせ、また、インテルのバグをどれだけの範囲で許容できるかという重大な問題提起にはなったわけです。「インテル入ってる」からといって最強とはいいがたい歴史を提示した稀有な例であるわけね。ちなみに、今でも(稀すぎて)有名な話とのこと…。

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