これならわかる国際政治:ナタデココの悲劇

日本でもかつてナタデココが流行りました(私の経験ですと1990年代だと思います)。こいつは当時健康食だとかダイエット食品として取り扱われ原料のココナッツ産地では大きな生産設備の整備がなされました。その主な産地国がフィリピンでした。

ナタデココブームが日本で起きたので、当然のように原料生産国であるフィリピンは特需に沸き、とても経済的に豊かになった農家が増えたそうです。ただし、これはブームと隣り合わせの「爆弾」でした。日本でも国内生産ができるとなると、フィリピンに技術提供してきた日本企業は一斉に手を引きました。「はやるからもっとつくりなさい」といってきた日本企業がです。結果どうなったでしょうか?ブームのために彼らを犠牲にしたんです。

フィリピンの農家は特需は一過性ブームでなくなったので、一気に需要が減り、木を切り倒したり、農作物を大幅に変えていた農家はつぶれまくりました。経営が立ちいかなくなったのです。日本でブームが消えるとなると当然フィリピン本国のココナッツ農家は極めて窮地に立たされて、自殺する農家家庭まで出たともいわれます。日本が周辺の国を犠牲にすることは少ない方だと思います。ですが、倫理的に問題のある行動を多くの日本人が知ってか知らずしてか推し進めたことというのはあってはならないことだったのです。

もっと国民が多くのことに興味をもっていたらこれは避けられた「ナタデココの悲劇」だったのです。補足すると、昨今では医学とか医工学とかの分野でナタデココは再評価されており、この研究によりなにか材料特性をもったりした特殊な医療ができるのではと期待が高まっています。それでもなお、ナタデココの悲劇を我々は教訓として受け継がねばならないということを忘れてはなりません。

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