特集記事:未婚者で「恋人いない」男女が多いという調査は妥当か?各メディアが報じる。

読売新聞が国立社会保障・人口問題研究所の興味深い統計調査について述べている。調査の内容についてはここ(http://www.ipss.go.jp//site-ad/index_Japanese/shussho-index.html)にて掲載されており、「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」という概要である。それによると、未婚者の男性の7割に恋人がいなくて、未婚者の女性の6割に恋人がいないという。センセーショナルな記事になっていて、未婚者としてうれしい限りだが(笑)統計を思想的にみないと本質はみえてこないだろう。この記事は特徴的で特異な部分のみに焦点を当てているから、もっとこの調査概要を見ていって結果のあらすじをまとめていこう。

ということだが、すでにこの研究機関が述べているようにあらすじ(http://www.ipss.go.jp//ps-doukou/j/doukou15/doukou15_gaiyo.asp)はまとまっている。そいつを見ていこう。

・男女ともに結婚願望は独身者で多い統計(男約85パーセント・女約90パーセント)。
・第一子を出産した後、職業も続ける女性は増加傾向(だいたい55パーセント)。
・夫婦の子供をもつ最終的な統計では2人を切った(第二子を望む夫婦が減った)。
・子供を希望する割合でも減少、第二子を望む未婚者数も減っている。
・理由としては子供の教育費に金がかかりすぎ&高齢出産は厳しいというものがふたつ。

これはかなりセンセーショナルでショッキングな記事だろうと思う。だけれども調査の概要だけを見て感じることをまとめるだけだったら、だれにでもできる。統計調査は語弊を承知で言えば悪用もできるから、もっと実際のデータ(http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/DATA/pdf/207750.pdf)(http://www.ipss.go.jp//syoushika/bunken/DATA/pdf/207616.pdf)を見ていこう。そうすると実はもっともっと指向性のある結果が見えてきた。

この調査はそもそも去年からなされているもので、18歳以上50歳未満の独身者調査と有配偶者調査(夫婦調査)から成立している(という前提条件を忘れてはいけない!)。有効回収率は独身者調査が75ぐらいで、夫婦調査が80パーセントぐらいだったらしいな。で、ぶっちゃけていえば、私が注目したのは「学歴別による夫婦の結婚者調査」「結婚のきっかけとなる出会い調査」である。はっきりいって、このデータ以外は独法の概要をまとめた結論が先に出ているので、それをみるべきだ。学歴別・きっかけ別でみるよりかはそれ以前に別要素を見ていこう。まず、私が注目したものふたつ以外の部分についてみてみる。

「独身者調査」
・結婚意識は独身者でも高い。
・年齢によって結婚への「こだわり」がある。
・男の就業形態はやはり関係性がある。
・子供を持つための希望観は大きいものがある(条件付)。
・女性としては「経済的なゆとり」を持てるというのもやはり頑としてある。
・独身者では「結婚資金」や「結婚からの自由観」が大きなネガティブ要因になってる。
・やっぱり未婚者で結婚を希望し、交際するひとの割合が減ってるのは事実。

「夫婦調査」
・晩婚化が全体的に確実に進行している。
・出生率は以外にも微増。
・望む子供の数は減少している。
・その理由は(複数回答なことを踏まえた調査で)…
・「養育費の問題」最多(約60パーセント)
・「年齢の問題」(約30パーセント)
・「不妊」(約20パーセント)
・「健康上理由」(約20パーセント)
・「心的負担」(約20パーセント)
・晩婚化が進むと流産をする割合も確実に高くなることは今回も実証された。

じゃ次に私が注目したところ(「夫婦調査内にある項目」)。

「学歴別結婚者調査」
・選考性(どの位置づけの学歴者がどの位置づけの学歴者を選ぶか)はやはり「ある」。
・基本的には同程度の学歴要件のような条件がある。
・例えば、大学卒以上の人は大学卒以上のパートナーを選ぶ傾向にある。
・夫が高い学歴で妻がそれよりも低い学歴であるか、双方が同程度の学歴かということを考えると…
・その総数は全体の8割ぐらいを占めている(いうなれば男の学歴は重視される)。
・すなわち妻のほうが学歴が高いということは比較的珍しい(とはいっても全体の2割程度を占める)。
・学歴差が多くなるほど、選考性に影響を及ぼす→やはり、同程度の学歴者を選ぶ傾向は変わらない。

「出会いのきっかけ調査」
・見合い結婚がガンガン減少(30パーセントあったのが5ぐらいになってる)、恋愛結婚割合が依然上昇。
・職場、学校、兄弟を通じて知り合った人がダンチで多い(=主要な「出会いのきっかけ」)。
・学校を通じて知り合った人が多数化(統計調査1982年から6パーセント→10パーセントに)。
・バイトとか見習いごと稽古事で知り合った人はそれほどかわっていなく5パーセント程度で推移。

で、最後のほう第六章にどうやら妻の意識調査があるらしいけど、やっぱ子供の数は安定的に減らすことを希望しているみたい。ただ、生涯独身傾向にあるということはかなり抵抗感があったり、第一子は最低でも望むという割合が高いのは事実(それでも伝統色が減少)。学歴が高くなると非伝統的(女性は家庭・男性は仕事)な考え方が壊されていっていることも伺える。婚前交渉についても非伝統的立場をとる女性は多くなっている。要するに理想の妻の価値観が変わってきている(反転した要素もあるので一概に伝統性が壊れたとはいえない、個々の事案によっても微妙に変わる)ってのがようわかる結果だね。

結局、独身貴族みたいなのはさびしいってのが一概の意見のようだ。でもよくよく考えるとわかるけど、読売とか新聞でもなんでもメディア媒体ってのはセンセーショナルな部分しか報道しない。統計を意識的に捻じ曲げることができるのだから、解釈の問題として結論付けることってできるんですよ。それが「統計の罠」なんだね。これだけ30分間、調査概要を眺めていって、それだけで見える景色が変わってきます。みなさんも統計調査の解釈問題についてはだまされぬよう自分の立場でよっく見ていきましょう。

(´-`).。oO(にしてもこの調査に答えてくれる人が多いのは意外だな。)

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