これならわかる国際政治:「ウォーターゲート事件」とディープ・スロート

アメリカ合衆国大統領ニクソンは当事必要もないことで、民主党など多くの盗聴をしていました。対中政策もまた順調で、冷戦もひといきついて、安定政権であったはずなのにです。彼がこのようなことをしたのはいまだに謎ですが、それは雰囲気やうわさから出てきた疑心暗鬼だったようです。なぜそれほどまでに神経質になって政敵の弱みを握らねばならなかったのだろうか?ということはいまだに疑問とされています。

ウォーターゲートビルにニクソンの配下たちが盗聴器をつけ、これが世間に露見しました。ニクソンは当初否定し、日本における指揮権に当たるものを乱発発動し、多くの関連人物を処し、もみ消しに躍起になったのです。事件は決定的な場面に達します。「ディープ・スロート」とコードネームとして名づけられた情報提供者が事件経緯を唯一報道してきていた、ワシントン・ポストとコンタクトをとったのです。このコードネームはアメリカのポルノ映画に着想を得てつけられた名前で、「隠れた情報提供者」を暗に比喩するものであったのです。

”スロート”の暗躍によって、ニクソンは正体が暴かれます。歴代でもっとも頭脳指数が高く、有能な政権担当能力のある大統領がもみ消しを認めざるを得なくなり、また盗聴の経緯も認めざるを得なくなります。ニクソンは辞任に追い込まれ、世界最強の指導者が弾劾されて、ホワイトハウスを去ることになったんですね。この事件はその経緯の劇的なシーンからして、世界最高のスキャンダル事件とされました。

簡単にいえばこれだけですが、今でも現代史や現代政治を語る上では絶対に身に着けなければならない話だとしばしばいわれます。日本での田中角栄の話に似ている点があるかもしれません。中国との関係性など妙に似ているシーンはあります。日本でもこういった事件はあり、角栄の場合、裏工作者が誰だったのか?当時の日本で、本当に純粋に検察が角栄を追い込む自力があったのかというのは今でもよく語られる点です。ただし、角栄もニクソンも学歴なかったけど国の方針を強いリーダーシップで導いた偉大な政治家であるという認識は今でも共通しています。

さて、「ディープ・スロート」の正体ですが、それは実は共和党と近かった、FBIの副長官であったマーク・フェルト(Mark Felt)であったことが現代では知られています。本人がワシントン・ポストとコンタクトをとったことを認め、ワシントン・ポストの報道関係者もそれを追認したため、事件の情報提供者がだれだったのかということは一様ひと段落しています。このようにして影の役者であったスロートの正体は事件から約30年のときを経て、明るみに出たのでした。する必要もなかった陰謀に加味したニクソンは空気に流された、「世紀の天才」だったのです。

その劇的な事件の成り行きから、この「ディープ・スロート」という言葉は”自分の身分を隠しながら事件の情報提供をするもの”としてしばしば比喩として用いられます。ただし”彼”の本心は彼がすでに故人であることもあいまって、なにを意図したのかということも含め明らかになっておらず、今でも政治学者の研究対象になっています。

marikoi

ここの主筆・共同管理人。ぶっちゃけ狂人。

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