連載たまにはゲームでも:「俺屍2」はなぜ失敗し、MGS新作はなぜ失敗しようとしているのか?

ゲーム業界というのは難しいと思うんですよ。超一流のみならず二流のゲームデザイナーであってもエンターテインメント業界にもかかわらず、やはり一貫したマーケティングを考える。ドラッカーも言うように、マーケティングは業務を俯瞰しないと駄目なことだから、それをやろうとする。桝田センセも同じことやろうとしただけで、小説はすごく魅力的なんですよ、絵もきれいだし…こだわるべくしての夜鳥子の魅力は確かにある。―「だが、失敗する(笑)」

これは映画とかパチスロでも同じです。ユーザのニーズの把握がかなり難しい、あまりに難しすぎる。というのも例えば社会問題に転ずれば、夫婦別姓とかそういう問題もある。一見関係ないように見えても、現代社会はニーズがロングテール化して、かなり多様になる。その一貫性なき世界のなかで一貫性を求められるエンターテインメント業界は共通項として成功しにくいということが上げられると思います。そんな中、桝田先生の力でもってしても成功できなかったのはすごくショックでした。事実、体験版を私もプレイしていましたが、その段階では絶賛に次ぐ絶賛でした。きわめて精巧にできていて、「神ゲー確定」なんていう人がざらだった。

だが、リリース後、このゲームはクソゲー扱いされます。というのもシステムは完璧だった。すごくよくていい場面がいっぱいあった。だが、ストーリーが駄目だった。これだけだったんですよ。事実、体験版とか序盤だけプレイしてみるとあれこれすんげーおもろくね?っていう層が多数だったわけです。夜鳥子の存在がすべての元凶です。桝田先生の気持ちよくわかります。すごく魅力的なキャラだったわけですし、それをメディアミックスのあいまいさに乗っけてなんとか着陸させようとしていた。すごく先進的な試みだったのが裏目に出たんです。そしてそのうちにストーリーを進めていくうちに、この夜鳥子の存在がシステムにすら侵食し始める。これがゲームバランスの過渡的な崩壊です。でも実験的だったしいいと思う。すごく楽観的になるといい意味で新しいゲームだった。だが総合的評価としては初作とVitaの一作目のリメイクだけだったのです。

ですが、今PS系でリリースされているくそみたいなRPGとかアクションとか果てはMGS新作を見てくださいよ。桝田センセはまだまだよかったほうなんです。むしろこれら”本当の”クソゲーからすれば、「俺屍2」なんて最高傑作と見上げてもいいぐらい天と地ぐらいの差がある(それでもユーザのニーズに俺屍2は届かなかった)。ゲームエンターテイメントどころかユーザニーズの把握すらしない。ユーザの求めている点をちょっとでもリサーチしない。こういうゲームは駄目なんです。メタルギアサバイブがまさにそれです。もうリリースする前からクソゲー確定ってのがわかりきっている。これは私の意見ではなく、トレイラーを見れば、また小島監督のいっていることを見ればよくわかる。レジデントエヴィルはP.T.っぽくなってて、攻撃はできないのが基本らしいです。新しいホラーを見つけようとするカプコンの試みは十分わかる。だけどコナミはもうスポーツ産業だけにしたほうがいいか、もしくは企業再生を試みるべくしてシリーズごとすべてハゲタカ外資にうっぱらった方がいい(この論理は日産がルノーにうっぱわれ、シャープがホンハイにうっぱわれたのと同じ論理)。カプコンもSEGAもスクエニもあらゆるほかのゲーム会社も特異点を除いて同じ。

「外国人経営者に任せるのは問題ありなんていうのは時代遅れなこと」っていってる池田信夫も主張しているけど、企業買収ってのはそういうもの。外資がクソとかいっている人もいるけど、グローバルってのは本来そういう意味。だから、ミッタルスチールもGoogleもMSもエルピーダも同じ。ゲームに限っていえば、こういう品質のゲームを乱発しているだけ日本の産業として絶望的です。これでは現場がなんのために努力しているのかわかりかねます。日々厳しい環境でゲームを作っている現場の技術者にとってはあまりに陳腐な上層部の意見に従わねばならんということで、苦渋すぎると思います。そういう意味ではMGS新作は待つまでもなく買う必要なしといっていいでしょう。駄作扱いされた「俺屍2」のほうがまだまだずっと天井突き抜けて上。

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