特集記事:3Dプリンターは臓器再建を助けるか?夢の技術は無限大

三次元プリンターが担う希望は大きいものがある。生きた臓器や成熟した臓器は極めて構築が困難だ。角膜のような小さな生体をiPS細胞から作り出すのはまだいいが、この分野はまだまだ技術的に未開拓。アタラもいうように再生臓器の技術は高度すぎて人々は手が出せない、実験領域だろう。その多くの理由はアタラが言うように、再現できない細胞があり、しかも、脈管すなわち毛細血管の血流を臓器すべてにいきわたらせる方法論を両立させながら、培養を経過して成熟臓器に発展することが不可能であることだ。

ただし、3Dプリンターであればこの問題はまた違ってくる。彼らはインクジェットプリンターの応用で造形物をうまく構成することに成功した。しかも高精細な密度で実現し、腎臓のような高度な臓器的装置を模倣して作ることができるようになっている。実は日本でもこの分野のパイオニアはいっぱいいて、それが帝京大学医学部出身の杉本真樹先生だろう。オザイリクスの開発から始まって、Mac系のソフトウェアやタブレットで大きく医療を前進させようという試みを彼はしている。三次元のプリンターを使用して臓器手術のシミュレーションを行ったり、VR/AR問わず新領域医療を開拓しているのだ。日本のベンチャー企業であるサイフューズ(https://www.cyfusebio.com/)もまた同じ試みをしている。

また3Dプリンターの担う領域はなにもこれだけではない。私が他大学大学院にいっていたころ、韓国系の優秀な教授が言っていたが、三次元造形を担う以上これで作れないものはないという。いわゆるスタートレックでいうものの価値を崩壊させるという”なんでもコピー機”に似ているのがこの機器類の特徴だ。今、SFの世界は実現しつつあり、誰でもどんなときでもITのような情報的財産のコピープレス機を情報財再生産だけにとどまらさせずに、立体造形物にも適用できる時代が到来するだろう。

しかもこの機器は大きさもまた同じように解決する。なぜかっていうと3Dプリンターは汎用性があって、セル状に連結させれば機器の巨大化に複製性を損なうことなく実現できるからだ。要するにセル状にいくつもこの造形機の大きさを、”部品”を用意さえすれば、拡張できる。だから車だってなんだってこの造形機で”印刷できる”時代が来るのだ。これは産業革命以来の大きな自動化になるだろう。その反面、技術が倫理をあだとする例も出てくるだろうが、それは未来の私たちが決めることなのだ。

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