連載たまにはゲームでも:世界最強のMMF使い―konjak.orgのJoakim Sandberg氏&ひもじ村のウータ氏に学ぶ小学校時代のゲームクリエイターへの夢

私もクリックチームのゲーム制作ツールは使ったことがある。MMFとかその前身であるC&Cは素晴らしく画期的で、ゲーマーにゲームを自作するという明確な目的を持ち込んだオリジナリティあふれるツールだ。確かに3D描画機能は弱いが、それにとどまらない。横井軍平の言葉借りれば「枯れた技術の水平思考」を現代に持ち込んだ最強のツールである。ゲームはなにも3Dだけではないし、クリエイトする気概は3Dだけでは絶対に語れない。私もUBEpener(https://twitter.com/pener)やネコ忍者コア(https://twitter.com/nekoninja_core)の話がらみで昔C&Cの掲示板でずいぶんとお世話になったことがあるが、彼らはフランス生まれのクリエイトツールで世界最先端のゲームを日本で作ってきた実績がある。実はこれは同じ日本人として誇らしいことだ。

UBEpenerことペナーはC&Cの外部ライブラリを用いて、新しいネットワークゲームを作ろうとしていたし、これはまさに世界で最先端のいくゲーム制作の理論だった。マジモンでゲームのニッチな作り方としてはオリジナリティがあって、学位論文にもふさわしいぐらい研究内容として結実するものだった。今ペナーはテラリアなどのMODを作っているが、このころの経験がなければ、今のMOD制作へのつぶし応用の利きはありえないだろう。創作は意味合いを通じて、繋がり、技術として身を結ぶ。しかもそれは純粋に楽しみたいという気持ちでもってして語られる自由なフリーソフト運動としての役割でもってして…である。

対して、ネコ忍者コアは実は国内でも著名なC&C使いで、今はプロジェクト発案もする純粋なUnity経由のプログラミング使いになっている。実はこのかたはニコニコ動画で伝説の始まりとかファーストインパクトとか呼ばれている「呪いの館」の発掘者だ。当時はハンドルネームは異なっていたが、実はNHKのMAGネットで一気に階段上がるように有名になったこの動画の発掘者が実は、この当人。関西の有名私大出身で今では社会人をやっているかた。キャンペーンサイトを通じてゲームの制作を本業と掛け持ちでおこなう器用な人物でもある。

彼らが世界でも最も強いMMF使いだったりしたことは(繰り返すけど…)、同じ日本人として誇らしいことだが、今でもその脈絡は息づいている。海外での第一人者がkonjak.orgのJoakim Sandbergだったし、また国内ではひもじ村(http://ikiki.html.xdomain.jp/himoji/)のウータだった。前者は傑作的2Dアクションでギミックやアイデアに豊富な「Noitu Love2」や「Iconoclasts」を作ってきたし、また、ウータ氏もそれに劣らずにコンスタントにMMFの傑作ゲームを多く作ってきた(当人は事情があって匿名でゲームを作ったときもある)。

今サイトにアクセスすれば、「Iconoclasts」のアルファテストもアクセスできるし、こういったツールでも世界に通用するクリエイターになれる、ゲームを作ることで生計を立てることが夢ではない時代になった。無論、一人でゲームをつくるということはかなり難しいことだ。音楽は特定ライセンス元でフリー素材を使えてもグラフィックは自前で用意しなければいけないし、レベルデザインから変数調節まで何から何までひとりでやらねばならない。だが、そのポテンシャルを保持してきたのがこのツールなのだ。

よく小学校でゲームを作るクリエイターになりたいという夢を書く人物は多いが、それ以前に様々なゲームへの接し方があるということは認めなければならない。我々がゲームを作るということは自覚が必要であって、それはゲームジャーナリズムの奥谷のような人物に言わせてもほぼ独学ですべてを乗り越える勇気が必要だ。ゲームを作る敷居は確実に低くなっている。一発当てれば、クリプトオブザネクロダンサーやドンスタあるいは大企業のゲームを軒並み抑えてトップをとるイサックみたいな簡単なゲーム哲学でも十分儲けられる夢がある。

そういう意味では、ペナーやネコ忍者コアあるいは、Joakimやウータに学ぶべきことは大きい。それは現状数千円を小遣いからひねり出しただけで環境が整って、創作意欲が沸き、それだけでごり押ししてゲームを自分で作ろうとする気概がなければ、ゲームクリエイターへの夢はなくなる一方だということである。―「今作れなければ、一生作れない」クリエイターとしての厳しい現実と隣り合わせの夢を彼らは今もまだ語り続けている。

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