サルでもわかるゲームレビュー:ゲームが現実を救済する日

Wargaming.netがとうとう慈善事業に乗り出した。一言で言って「素晴らしい試み」だ。

この期間の特定のプロジェクトの収益が100%イギリスのNGOであるWarChildに送られるというのだ。WarChildは戦争で不自由な体になった子供のリハビリや、紛争地域の子供のための支援に使われる寄付を募集している。均等な機会を紛争地域での子供に与えることを目標に作られたこのNGOは、コンゴや中央アフリカ、ウガンダ・アフガン、イラク・シリアやヨルダンの貧困層や教育困難層に与えられる支援として考えられているらしく、戦争における戦車戦闘をテーマに据えられたWoTのゲーム性と矛盾しているといえばそのとおりではある。

プライベート・ライアンなどの「娯楽戦争映画」をはじめとして辛口な印象を覚えてしまう私としてはそういった戦争映画やその倫理観については疑問符をつけるタイプなのだが、この矛盾は素晴らしいレトリックに思えてならない。戦車や戦闘用航空機の出てくるゲームは絶対に嫌いだというタイプの典型的なゲーム批判をする大人や、平和活動家でできないことをやっていると思えてならないわけだ。変な価値観でもゲームが悲惨で冷酷な現実を救済する日があってもいいだろう。

本来は戦争をテーマにしたゲームが戦争孤児などを救済するという構図はかなり否定的にも見受けられる意見も確かにわからないでもない。論理的に考えれば、ゲームへの批判は高まるはずなのはまさにそのとおりだが、実際彼ら(WoTプレイヤー)は子供たちの命を救うだろう。手前みそでもうしわけないが、現実主義を考えればこれは本来あるべき理想からかけ離れても妥当なことだ。それはどんな天才にだって、WoTを通じて寄付金を慈善NGOに提供するゲーマと同じことはできないからだ。マザー・テレサ級にならなければどんな天才にだって、特定の国家に属する特定の国民に所属する子供の命や機会の均等法則に寄与できるものではないのだ。

だから、リアリズムが論理の跳躍を助け、その矛盾を発展的に解決するだろう。そういう意味で、この不安定な紛争時代に生きる我々の理想を、逆に語ってくれているようにも思える。彼らNGOのミッションと本来の慈善の論理構図のかけ離れのあるWargaming.net、それらによるコラボレーションの独特な挑戦はNGOのミッションと共鳴して今後も続くに違いないだろう。ゲーマの、ゲーマによる純粋な慈善事業だってあっていい。それが命を救うならば…。

We aim to reach children as early as possible when conflict breaks out, and stay to support them through their recovery – helping to keep them safe, give them an education, and equip them with skills for the future.

 (WarChild公式ウェブサイト:https://www.warchild.org.uk/より引用)

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