意思決定:ゲーム理論序論―協力ゲームと非協力ゲームから考える男女の付き合い方

A(映画館好き男) B(美術展好き女) 映画館 美術展
映画館 (2,1) (-1,-1)
美術展 (-1,-1) (1,2)

「協力ゲーム(Cooperative game)」とは分配型の提携のある環境でのゲーム理論の分野のことである。対して「非協力ゲーム(Non-cooperative game)」とはゲームの参加者が競争することのゲーム理論の分野のことである。例えば、じゃんけんは非協力ゲームの分野のうちの一つだし、様々な応用例があってスポーツ科学などに応用される。スポーツ科学におけるスポーツ競技は非協力ゲームであり、そのタイプとしてゼロサムゲームである。また非協力ゲーム、その解は「ナッシュ均衡(Nash equilibrium)」で得られる。ここでは男女の戦いを例にとって非協力ゲームを考える時、ナッシュ均衡の一番簡単な部分がわかる。

まず、図の表となるような状態を考える。このケースだと男と女がいて、男の方は映画館にアクション映画を見に行きたいと思っているとする。一方で女は美術展に行きたいと思っている。だが内心ふたりはそう思っているが、一緒に行きたいので、その場合の「効用(utility)」を考えて、各々の関係を導くと、このようにナッシュ均衡が求まる。

実はこれは「調整ゲーム(Coordination game)」の一例であり、この非協力ゲームでのナッシュ均衡はふたつ解があり、いずれにせよ男女それぞれが同じ地点へ行きつくことである。すなわち男と女がどちらかが同じところへいくことが最大利益になっている。それぞれが別の選択をすれば双方にとって不利益をこうむるのはこのマトリクスからいって自明である。

(-1)+(-1)=-2

一方で同じところへ行くことは双方にとって利益をもたらす最善の結果となる。

1+2=3 or 2+1=3

このマトリクスと数式とが表すように、どちらかが決定した行先を断ることは不利益につながるということである。経済学において「効用」とは価値的なもののことを指す。このような非協力ゲームの例がある一方で、協力ゲームもある。協力ゲームの例としては、例えばバンドの結成によって利益がもたらされる問題などがある。バンド結成によってもたらされる効果を試算すると…

メンバーa,b,cによるバンドによる経済的利益をvという関数としてあらわす時、

v({a,b,c})=10:集団合理性(メンバーがすべて集まったときに生み出せる価値)
v({a,b})=5:部分合理性(メンバーはaとb)
v({a,c})=4:同上(メンバーはaとc)
v({b,c})=3:同上(メンバーはbとc)
v({a})=2:個人合理性(aひとりで生み出せる価値)
v({b})=2:同上(bひとりで生み出せる価値)
v({c})=2:同上(cひとりで生み出せる価値)
v({})=0

とする。このときに解は一定ではない。利益分配においてaの取り分をap、bの取り分をbp、cの取り分をcpとするときにブロックの定義により…ap,bp,cpおのおのを(4,3,3)とするとこれは解となりうる。すなわちブロック(拒否)されないコアが全体合理性と個人合理性をいずれの場合も満たすとき…

(ap,bp,cp)=(4,3,3)
(ap,bp)=(3,2)
(ap,cp)=(3,1)
(bp,cp)=(2,1)
ap=2
bp=2
cp=2

と表すことができるが、 さらにこのとき…

v({a,b,c})=10=4+3+3:全体合理性を満たす
v({a,b})=5≦4+3:部分合理性を満たす
v({a,c})=4≦4+3:同上
v({b,c})=2≦3+3:同上
v({a})=2≦4:個人合理性を満たす
v({b})=2≦3:同上
v({c})=2≦3:同上

であるからして仮定から導ける範囲内のおいて、バンドを結成した方がいいこととなる。これがゲーム理論の序論となっており、様々な場面で培われてきた歴史があるが、このゲーム理論による意思決定については様々な批判もある。それが完全観測問題であり、ゲーム理論が実用性に欠けるのではないかという有力者による指摘がある。

東京大学の岩井やルビンシュタインはこの分野の批判者であり、経済学を定理的にのみの手法によって扱うことに否定的である。経済学は哲学の一分野とするのがルビンシュタインの意見である。池田は歴代のゲーム理論の学識者が多く経済学賞を受賞していることに批判的である(ただしハートの契約理論に対する業績はゲーム理論の解釈も含めてそこから外れてかなり妥当だとしている)。

marikoi

ここの主筆・共同管理人。ぶっちゃけ狂人。

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