子供のための文化思想論説:「ひとつの中国」って何?

みなさんは今みているテレビニュースでトランプ米次期大統領が中華人民共和国と対立しているということを知っていると思います。トランプは就任を待たずして異例中の異例といえる、台湾トップの民進党蔡総統と電話会談しました。これに中国は猛反発。中国としては、「ひとつの中国」という事実を提唱したく、台湾と対立しています。これはなぜなのでしょうか?以前の記事(http://mjdkoisuru.review/2016/08/21/111/)の復習もかねておっていきましょう。

そもそも中国は孫文が作った国でした。孫文は日本で学び帰国し、中国で革命(辛亥革命)を起こし、中華民国(現在の台湾)と中華人民共和国(いわゆる”中国”)の祖となった中華圏では偉大な人物です。だから孫文は台湾、中国双方から尊敬される稀有な人物です。で、日本が中国大陸から手を引いた後、蒋介石(中国国民党=現在の台湾国民党代表)という将軍さまが、国共内戦と呼ばれる中国大陸本土の内戦に負けたので、毛沢東(中国共産党初代代表)に追いやられて、台湾本島に逃げたのです。これが中国分断の経緯です。

だから、本国中国大陸を管轄する中華人民共和国はもともとの中国のルーツは「ひとつ」であり、台湾だって私たちのものですという主張をしています。これが彼らの言う「ひとつの中国」です。これに対して、台湾では国民党と民進党と呼ばれる二大政党があり、国民党はその歴史的経緯に限らず中国本土との交流を最低限度は進めておきたいというスタンスですが、今台湾総統の蔡は民進党の出身で、彼女は「台湾」という国で国連にも認められる国家となることを目標としています。

現在、中華民国(台湾)は国交がほとんど中国(中華人民共和国)に追い詰められていて、国際社会でない状態が続いています。もしくは国交があっても国家としては認められないというのが中国の主張であり、これはおおまかには通っています。ニクソンやキッシンジャーといった要人が中国との国交回復に暗躍したり、あるいはアルバニア決議と呼ばれる”国連における中国共産党率いる中華人民共和国に国連の代表権を与える”といった国際協定があることもあり、いわゆる拒否権は中華人民共和国側にあります。

彼らがいう「ひとつの中国」と呼ばれる概念はこういうルーツがあり、かなり複雑です。したがって、中国のありかたをめぐって火花散らすため、台湾海峡はかなり緊迫しています。海峡危機の際はミサイルが飛び交ったり、米国の空母が仲裁に入ったりしたりしました。あるいは、米国がしばしば武器供与を台湾にするのもこういった複雑な政治・軍事情勢を加味した結果であるわけですね。

marikoi

ここの主筆・共同管理人。ぶっちゃけ狂人。

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