マジで恋する書籍レビュー:「東大卒プロゲーマ―」ときど【感想】

「東大卒プロゲーマ―」ってこれおもろいじゃないですか。なめて暇見て読んでましたが、すごくいい本ですよ。著者の”ときど”こと谷口氏はどういう心情と論理で格ゲーマーになったかっていうことが具体的に描かれているし、文章としても非常にうまく書かれている。東大卒のエリートさんである谷口氏がいかにして格ゲーでのプロゲーマ―になろうとしたのか、いかにして東大へと進学した後大学院までいってそこから道を切り開こうと思ったのかっていう、「別視点」が客観的に描かれているんです。だから読み手の意識になってしっかりと寄り添ったうえで破綻した論理をまったく使ってないんですよ、谷口氏は。

例えば、「研究」という道ではポスドクの相方と一緒に頑張ったっていう事実があって、しかもネイチャー系列のインパクトファクターがしっかりと10・20ついてる学術誌に共著論文が載っている。東大の中でも間違いなくトップクラスの研究者の実力がある。それでもなぜ彼はゲームで”食っていく”ことを目標にしたのか?その経歴がしっかりと掲載されていて、自分の中だけで完結していないことにこの本の完成度の高さが表れている。素晴らしい本です。やっぱ、なめてかかるとPHP新書はしっかり逆襲してきますわ。

情熱は論理に勝てない、という「論理外の論理」を谷口氏は何度も言い聞かせるんです。だから彼が最高学府という言葉を間違って東大のことを指しているとして使用しているのも気にならないです。正確に言えば最高学府ってのは大学か大学院全般(高等教育の最終局面=究極的には大学院博士課程のことを正確には言う)のことですが、谷口氏は間違ってこの言葉使ってますね。でもそんなん気にもならないんです。セレンディピティの問題だって白川博士の導電性ポリマーやゲルとかをはじめとする粒子系のマテリアルの研究にだってゲームに通じるものがあるってのは彼が本書でしっかり言っている。こればっかりは本書の語り口の軽妙さと自身の魅力のアピールのしかたが文体ににじみ出ているのでそれを読んでくださいとしか言えないです。

とにかくなめてかかると驚かされる本です。びっくらこいた。ゲーマーだけではなく、現代の世の中で研究者目指すなら速読でもいいので読んでおきたい本ですわ…。まあ、XBユーザの私としては最近KIに目覚めたらしい”ときど”がKIアメリカ勢にどれだけ通用するかってのは気になりますがね。

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