エンタメ評論:シリーズ最新作「トイストーリー4」2018年公開へ【ピクサーの裏事情】

というわけで、ジョブズ関連の「有名な」会社でもあるピクサーが作った代表的アニメ、「トイストーリー」の最新作が2018年6月に全米で公開されるという。このシリーズは、ディズニーとの対立軸をうちたてたピクサーの看板アニメだ。なお、4という最新ナンバリングタイトルの公開は一年遅れの2018年になるという。4はラブストーリーになるようで、従来からのロボットの隠れた運命のなかに描かれた風刺性やシュールさユーモアとは一線を画すものに仕上がるという。

ピクサーはジョブズが「作った」会社だがはじめやはりうまくいってなかった。というのもピクサーは映像系の会社であったけど、興業オプションは選択肢としてはまったく考えられていなかった。実務的映像技術などに優れていたため、顧客はディズニーやルーカスフィルム、医療・政府関係がらみなだけ。なぜにディズニーとの関係は悪化したのだろうか?また、独立性のある興行映像会社に生まれ変わった理由とはなんだったのだろうか?

実は、ジョブズがピクサーを「作った」というのは大いに語弊があって、彼がアップルコンピューターから経営的排除を受けた際、その後ジョブズ自身がアップル時代IPOで得た巨額の利益の配分投資をして「買収して命名した」会社だった。彼は当然エンジニアではなかったが(アップル時代から技術担当はすべてウォズニアックだったことは有名だ)、今では誰もが知るように天才的な経営センスを持っていたため、顧客の求めるものが長期的・本質的には「わかっていた」。ピクサーは長年の不振から経営の自力を失っており、ジョブズの天性の感がここにいかされたという経緯がある(ただし、ジョブズ自身が興業映像系独立会社として尽力したわけではなく、間接的な関与にとどまる)。

ひょんなことから業績が悪化していたピクサーは興業に乗り出すことになる。ノウハウをエンターテインメントに生かそうというのだ。これがはじめの彼らのアニメ映像作品の「ルクソー」および後続の「トイストーリー」シリーズだった。「トイストーリー」シリーズの大ヒットと数々の栄誉ある賞の授与に影響されて、ピクサーとその本家親玉のディズニーとの軋轢は深まった。だが、探査ロボットを描いた「ウォーリー」はこの両社の融合だといわれて、この時代の革命的な経営戦略だと賞賛された。要するに、ピクサーとディズニーは和解し、共に「ウォーリー」を作ろうということになって、両社の関係性がWin-Winになったため、利益分配のルールもシンプルにまとまり、今ではピクサーはディズニーの傘下に収まっている。これが、ジョブズが「耐えに耐えて」ピクサーに投資してきた結果的成果だった。

このように社内社外に限らずに天才的な交渉力を持っていたジョブズがいなければ、おそらくピクサーから伝説的なアニメーション作品はうまれなかった(特に代表作である「トイストーリー」シリーズ)という見方も強いらしい。簡単にいえば、彼の嗅覚がすべてを導いたのだ。その後ジョブズはアップル本社に復帰し、資本関係をピクサーとアップルも一時的に持つにいたっているとジョブズ本人は主張した。

なんでも、ディズニーのロビー活動の力は現代の政治の世界でも企業社会でも強いものがあるそうだ。全米で最も有名なテレビ会社であるABC配信会社はディズニーグループの傘下であることは、経営にちょっと詳しい学生だったら誰もが知っているし、このあたりの権力闘争はすさまじいものがやはりある。ここにいたって、やっと「道」は見えたのだ。興業といえども企業闘争社会(=現代の戦争社会)が当たり前であって、それ以外ではありえない。ジョブズの厳しい視線が見据えた興業映像配給の新世紀がここにはあり、その享受を我々消費者が受けているという構図があるわけだ。

さて、俺も来年、映画館にコレ見に行こうかな…。

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