マジで恋する書籍レビュー:小説と映画、スターウォーズのはなし

SWを語る上でまず重要なのは「知識」だと思う。膨大な設定量、たしかに後付っていったらそうなっちまうけど、ガンダムだってなんだってヒットシリーズ作はどれも同じ。外伝小説は原作者ルーカスの公認って情報もあるし、いろいろごたごたはあっていいと思う。でも、ファンなら外伝や小説版も押さえておきたいもんですワ。本書では反乱者になったジェダイ・デパの裏話とメイスとの関係が深く書かれており、師弟関係にある両者がどういう苦悩を持ち、デパはメイスの元を去り、虐殺に加担したかということが描かれている。だからこれは映画「フォースの覚醒」に始まる続三部作の予習にも十分なほどの分量があり、私が読んだSW小説版の中で筆頭を争うほどの傑作だ。

「知識」として持っておくとやはりジェダイやシスに始まって、円卓会議やファースト・オーダーの展開を想像させられるものになっているので、SW史を語る上でこれらの外伝作品は見逃せない。そういう「知識」の面で本書で提示されている意外な例を挙げると、ジャンゴとメイスは対等の存在、むしろ、ジャンゴのほうがメイスより強いって言う設定になってます(メイスが述懐するシーンが多数あり)。たぶんこれ違和感を覚える人多いだろう。

「え?なんでSWの映画版の中でジャンゴはメイスにあっけなくやられてんだろ?」

ってなわけ。でもこれ違うんだよね。ルーカスの周りのひとも優秀でしっかり原作をフォローすべくしてジャンゴのからみもきちんと描いてます。というのも、ジャンゴはジェット・パックの故障で負けたわけであって、けっして映画内でもメイスに一方的にやられているわけではないわけだ。では証拠の動画をどうぞw。

メイスのライトセイバーの一閃をかわそうとしてジェットパックを起動していますが、気泡をあげただけで誤作動しているんです。前にオーガの突進に引きづられてパックが壊れてますね。だからセイバーをかわせなかったわけで、ジャンゴが弱いというのは映画内での設定であり、もし仮にジャンゴが弱かったとしても、クローントルーパーの立役者のうちのひとりなわけですから、SWの中で極めて重要な立場にあるわけだよ。あと意外と意識してなかった部分だけど、本書ではクローントルーパーよりも機械式のロボットのほうが精度が高く、圧倒的にクローントルーパーより強いって設定になってたかなぁ…。

で、「フォースの覚醒」にあるように新作も動画配信サイトで見ましたが、これ傑作じゃないか。「~覚醒」から始まる新しい三部作(続三部作)は馬鹿にしてましたが、そうではないです。確かに評論家が言うように脚本に優れていて、これからの可能性を無限に秘めている感じがある。もちろん演出も素晴らしく、ソロとベンの関係性とかの描き方も深い…。レイア姫のかたにとっては12月公開作品が遺作になってしまいますが、こういう三部作の新規性を語る上で、やっぱり過去作との齟齬とか外伝のありかた、膨大な設定、なにより暗黒と光明の中で揺れ動く人物のありかたこそはずしてはならないSWの醍醐味です。

聞けば、ダースベイダーがI am your fatherとルークに言ったシーンでは映画館でどよめきが起こったそうだ。このように人間の暗黒面をきれいな方面ときたない方面、両面から描き出した「深さ」がSWの真価であるような感じをうける…。そして、そのSWの原作者であるルーカスの影響のもっともっと上のほうにあったという黒澤監督の評価が国際映画の世界で高く評価されるように、黒澤監督のすごさってのはSFやその他の芸術表現もろもろにあったわけダッ!

marikoi

ここの主筆・共同管理人。ぶっちゃけ狂人。

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