特集記事:XB1は本当に終わったハードなのか?―UWP構想と社会民営化

世界最強の半導体メーカーのうちのひとつNVIDIA。その伝説的CEOJen-Hsun Huangでさえ齢54である。我々は技術の発展に人間の手によりまったく仲介できない技術的特異点の時代に生きているのだ。ハードウェアとソフトウェアのサイクルにおいては際限なく同じロールモデルが繰り返され、この様子は有機的な新陳代謝と酷似している。画像はhttps://en.wikipedia.org/wiki/Jensen_Huangより

In an interview with WSJ’s Kevin Delaney, Groupon and LinkedIn investor Marc Andreessen insists that the recent popularity of tech companies does not constitute a bubble. He also stressed that both Apple and Google are undervalued and that “the market doesn’t like tech.”

http://www.wsj.com/video/groupon-investor-marc-andreessen-no-tech-bubble/275ED9C5-2BCA-4BFD-9FBA-97BCEF0D48F7.htmlより引用

AUTOMATONが伝えるところによれば(http://jp.automaton.am/articles/newsjp/microsoft-started-to-make-universal-windows-platform-games/)やはり、MSの考えていることはひとつだけらしい。それが同記事にてゲームジャーナリストも伝える「UWP構想」だ。これはゲームを単純な一ツールを考えずに、多くの民間技術を盛り込んだことで、PCとXB1の垣根を越えさせて動作する、エミュレーターのようなものの拡大版としてとらえるのが正しい。

ゲームはゲーム単一で動作するものではない。NVIDIAがGeforce NowをPCでも稼動(http://www.4gamer.net/games/209/G020984/20170304007/)させたり、MSがAzureなどの機械学習システムをゲームサーバに構築(https://www.youtube.com/watch?v=bv2f5BPa7PQ)したり、クラウドゲーミングにそれらが応用されたりすることらから判断できるように、事態は自明といって良いだろう。彼らはどこにでも普遍的に動作する、ハードウェアとソフトウェアを超越する”ユビキタスのもの”を作るつもりである。ハードの世代交代などは関係なく、ある種の永久機関を実現するつもりだ。家にXB1があればソフトウェアに界面的に接するわれら消費層としてはそれひとつで穏便に済む…これがUWPの本質だ。

従来世代交代してきた現実的ハードウェアは、次世代では未来的ハードウェアになる。それゆえにMSは壮大な実験をしようとしている。MSが国内でのXB1販売台数にこだわらないのも大きな特徴といって良いだろう。彼らはCS機とPCとの垣根をとっぱらい(ゲームだけではなくアプリやそのほかのソフトウェア、例えばOfficeも含めてのこと)、なんにでも機能するオルタナティブなき、ハード建造の方法論を探っている。XB1Xはそのための先端ハードである。確かにXB1の売り上げが世界全体でSONYのそれと比べてダブルスコア以上の出荷台数差である状況は楽観できるわけではないが、MSの提示する事実と新技術により、MSの持つ事業構造は案外しっかりとしている。端的にはしょって例を挙げようか。

・マウスやキーボードでの操作をCSとPCでの対応環境において等しく整える
・買収とクラウドゲーミングの技術をソフトウェアから再考する
・Officeなどの従来製品も盛り込んでハードにこだわらずサブスクリプション提供する
・CSとPCで共有性のあるゲームリリースを実現している
・SteamのようなPCオンリー系とも手を組んで段階的に垣根をなくす
・MSは国内では販売不振のXB1を日本で撤退させない
・Googleが持ち主会社であるYouTubeアプリはXB1にきちんとサポートさせている

要するYouTubeがXB1に搭載されているように「競合相手と競合するだけでは現状以上のパイは望めない」のだ。それはGoogleとMSの犬猿の仲であっても同じであり、Appleの製品を見てもそれは同様だ。人による「工夫」が必要なのだ。Appleはファブレス徹底し、ハードウェア製造は新興国に売り渡した。結果、プロダクトデザインとITに徹底して注力するわけだ。すべてはイノベーションの経営学が統一する財産だ。それをMSは事物をものごとから脱却させる過程において解決するつもりだろう。

要するに「物財と情報財とサービスといった財産の垣根は、国境を越えてすべて統一させる」わけであり、従来のように財産の形によらずに設定できる”新時代の財産”をMSは作ろうとしているのだ。Appleのみならず、レゴの経営でもそれはまさしく体現されている。彼らはMITと組んでのマインドストームで、それを教育という人類史上始まっての最強のツールに応用しようとしている(レゴの場合、ブロックの精密製造のための特許さえ切れたままだ:http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150210/277340/)。ここまでいけばアンドリーセンがソフトウェアが世界を喰うと表現する理由(https://www.wsj.com/articles/SB10001424053111903480904576512250915629460)も納得行くし、ソフトウェア産業やハリウッド型エンターテインメント産業が国境や国籍にこだわらないのにはしっかりと裏づけされた理由がある。彼らがトランプに反発するのには合点がいく論理がある。

世界は平坦になり、そこに国境はない。それが、パトリ・フリードマンのいう洋上国家(http://sutebuu.blogspot.jp/2011/02/blog-post_27.html)であり、または池田信夫が言う企業的都市国家(http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51886418.html)である。そこには物体から脱却したSF的な抽象概念があるだけである。―「ゲームツール侮るなかれ」プロゲーマーの中には軍の支援も受けて、実兵になったものもいる。これは実は時代の先端がSF的に発展していることの証明だ。フリードマンがかつて述べた「民営化の究極形」がここにある。製薬企業でさえ、新薬物質の探索および発見は子会社に任せている時代だ。

あらゆる企業文化のみならず政治体制でさえそういった傾向がある時代に、それが正しいのかどうかを判断するのは我々であって、また我々が選ぶ政治的統治者である。ブルームバーグはGoogleがボストン・ダイナミクスの売却を考えていることをここ(https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-03-17/google-is-said-to-put-boston-dynamics-robotics-unit-up-for-sale)で伝えている。その売却先はトヨタまたはAmazonだとGIGAZINEは伝える(http://gigazine.net/news/20160318-google-to-sell-boston-dynamics/)。結果、ボストンダイナミクスはソフトバンクに売られて、皮肉にも芝刈り機を作った(https://robotstart.info/2017/11/14/boston-spotmini.html)のだ。

なんにせよどう考えたって、みんなが望むように平和的に興行の理想は行われるべきである。私見では、時代の先端を見据えているのは、任天堂を除いて、SONYではなくMSだと思う。

※許可を得た上での転載・再構成記事です。Geforce NOWについていえば、WindowsでSteam Origin UClub Battle.netどれもがクラウドエンジンで動くことが確実視されています。この現状を鑑みると長期的にはSONYではなくMSのほうが強さがにじみ出てくるように私には思えてなりません。

marikoi

ここの主筆・共同管理人。ぶっちゃけ狂人。

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