マジで恋する漫画レビュー:「封神演義」藤崎

ジャンプで最後まで「しっかりとした形」で完結させることのできた数少ない連載漫画がこの「封神演義」。フジリューは工科系の専門学校卒、イケメンで地味に有名(ぶっちゃけ新年特集号で顔出ししてる&漫画のイメージどおりw)。藤崎は元素とか化学に関する知識が深いよね。だから元始天尊とか普賢真人のパオペエではそういう知識がいかされている。重力の問題、元素融合の問題、科学的SFを含む古典である。というのも、古典っつのは中国古典を題材にしてるのに、それを現代漫画という形でしっかりと描ききっているつのはすごいなと。

もちろん、読者男性陣に人気なのは竜吉公主であるwwwそして公主が好きな男性にとって必ず次点にくるのが邑姜だろうw。肝なのは、フジリューの「漫画屋」のタイプとして最大の特徴は「見ないでも描けるタイプ」。彼は想像力のなかから漫画を引き出すからトレースとかまったくしないですむんだな。これはフジリューの熱心なファンであれば誰もがわかることだろう。そしてそれが服飾のデザインとかそういう画ネタにしっかり現れているのは見てりゃわかる。

原典は先述したように中国古典の「封神演義」。これは中国の原典であって神々が人間の戦争にかかわりを持ち、殷朝の終焉を主だったテーマにしている古典…フジリューはこれをたたき台にして現代漫画にした。この題材は当時のジャンプとしては読者も編集も想定外のことであり、ここまで人気が出るとはまったくもってして思われなかった。まさかジャンプで古典を取り扱うとは…そういう反応が多かったと思うし、それを認識してから、原著を読んだ私は中学生のころだったが、原典とのからみのギャップがあまりにも大きいw。だから、ネタ的に漫画の本筋で中ダレしてたこと否めず、打ち切りの危機に瀕したこともあったけど、この巻で一気に挽回し、エンディングまでもっていけた。これを支えたのが聞仲の躍動(作中でいう「崑崙落とし」による十二仙の壊滅)だったことはファンの間でもあまりにも有名である。

結局、殷朝は終焉し、周が出てきて人間の世界は変わった(これがいわゆる史実で言う「殷周革命」だ)。そして最終的に太公望は、自分が「気に入らなかった」陰の支配者である創造主にはむかうことになる。導(しるべ)がなくなって史実とは違ったパラレルワールドに漫画の人物たちは飛び立つ…。そうしていくうちに神の世界と人間の世界は理(ことわり)を持ち、平和になるのだ。歴史の大動脈をこの漫画は大きく、しかしながら細やかな人間の視点・観点から変えた、ということでエンド。

今、この漫画をもう一度アニメ化しようという機運が高まってアベマとか各局で実現するらしい。これが、2018年1月スタートの「覇穹 封神演義」だ。フジリューは自分の漫画はメタ封神といっていたが、最初のアニメ化ではメタメタ封神と評した。このあたりもフジリューの頭の回転の速さが感じて取れるんだが…。で、久々に買って読んでみたが、やはりこの漫画のすごいところは人間とか神々の戦いを偶像の中での象徴として描いてるのに、同時にそこには確かに神なのにも関わらず人間の通った血の色がにじみ出ていているってところかな。ふつー超人ってのは浮世離れしているものだし、漫画ならなおさら。もちろんフジリューのこの漫画がそうではないわけじゃないけど、正当なバトル漫画でありながら、心の機敏とか漫画で重視されるものを独自のシンプルな解釈で描ききっているところに終結する。これがフジリューの醍醐味だと思った。

はっきりいって、そういう意味ではこの巻にこの漫画のすべてが詰め込まれているちゅ言っても過言じゃない。この巻を理解できれば、フジリューのすごさがよくわかるってもんだ。神が死ぬということが人間の死と対比され、それが我々の世の道理にも通じている。これが最高。そして、白熱の演出・正当派少年漫画としてのバトルもの。魂魄の飛ぶ足跡。コントラストが素晴らしいし、それでいてその人間味に感動できる。この後、フジリュー(いまさらながら解説すると、本来は短編の旗手として知られる)は哲学をテーマにした漫画連載を始めるが即行で打ち切りを食らっているw。まあ、あたりまえちゃあたりまえだが。

概要・内容ともに、亜流であり、それでいて本流でもある稀有な作品ではないだろうか。これをアニメ化して成功させるのは至難の業だ。それは本作が漫画でありうるメタ解釈のそれそのものがフジリュー自身がいうように為されているから。ディーンでさえ事実上再現に至るという点では失敗したのに、他が成功するとは思えんのだ。懸念はあるがぜひ見ておきたい、ひさびさにアニメがらみのニュースを見てそのように思ったのであった。

※画像は【画像】封神演義の独特で綺麗なタッチのイラスト・画像集 – NAVER まとめより引用

marikoi

ここの主筆・共同管理人。ぶっちゃけ狂人。

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