文芸:友情とは何か?

小学校のころ俺は友達に夏休みの課題作品を壊されたことがある。

ゴムひもを使った小さな張りぼての動力自動車を作ったんだがそれがその友人が遊んでいる間に壊れてしまった。誰もが壊すポテンシャルはあったブツだったが、さすがに苦労して作った俺は泣いて悲しんだ。担任は誰が壊したのかといったが俺は事実に反して「俺が壊したんです」といった。もし本当のことをいえば友人は厳しい担任に怒られただろう。友人をかばうつもり、心にもなかったが、事実上かばうことになった。

その友人はその後、親の異動に伴い転校したけれども、それ以前に俺に謝ってくれた。「壊してすまなかった」といってくださって俺は初めて謝られて嬉しく感じた。そして俺はそれから「もう過ぎたことだから良いんだ」といった。俺は結果的にだけれども友人をかばったことを誇りに思った。俺たちはひとつ知らずの仲だったがそのときになんらかの点と点がつながれたことを確かに共感した。

夏休みの宿題を失った結果、俺たちは「友情」を手に入れた。それもひとつまみのものではなく、真なる友情だった。人間の感情の起伏を超えた、童心を超えた、大人の友情にまぎれなかった。そのときから俺とその友人は強い絆で結ばれたのだ。一瞬で築かれたのにも関わらず、その友情は確かに強く輝き始めた。

俺はいまでもその確かな「友情」を誇りに思っている。願わくばその友人にもそう思っていてほしいものだと今でも思っている。

marikoi

ここの主筆・共同管理人。ぶっちゃけ狂人。

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