マーケティング概論:WoT(World of Tanks)にみるSTPマーケティング

WSJがWoTの業界解説動画をあげている。私も勘ぐっていたが、ゲームとは言えどもこのあたりのマネジメントの能力はあまりにすごすぎる。ジャーナルはマーケティングに踏み込んで作成したわけではなさそうだが、その領域からもこのゲームはケーススタディとして十分に活用できる。それぐらいWoTの運営はすごいマーケットの特定領域を持っている。STPすなわちセグメント・ターゲット・ポジションどれをとっても一級の事例といえよう。教科書に載せるべきってぐらいかな。

WSJが伝えているのはゲームの成功例として導入の部分だけだが、例えばこのWoT、STPマーケティングに非常に優れている。

・セグメントとしては…第二次世界大戦の戦車戦闘に絞り込み、
・ターゲットとしては…幅広いアクション層にうったえかけるものがあり、
・ポジショニングとしては…無茶やらないでF2Pタイトルにしている。

一例を挙げたまでだが、これだけでもすごいSTPの実践だ。ウォーゲーミングドットネットとしてはかなりの能力を持つマーケティングアドバイザーみたいな職域があるようで、公式ページでも重職として扱っている節がある。最近ではBlitzがWarhammerとタイアップ。このあたりはゲーマーにとっても彼ら経営者にとってもすごくいい感触を感じているのはみんな同じだと思う。それぐらいプロいゲームメーカになってしまった。

私も始めこのメーカを見たとき、こんなにマーケットがでかくなんねーよ日本展開なんてありえんしや思うとったが、それは間違いであった。拡充していって各国の言語対応をして、まさかの日本語ローカライズ・箱展開・PS展開まで。さらには各種業界と拡充策として、さまざまなタイアップをしている。ガルパンとか戦場のヴァルキリア、先に挙げたWarhammerシリーズまでタイアップはすべて計算づくめだ。これは世界のゲームの潮流を高い意識で理解している証拠だ。資金調達もこれぐらいプランが明確だと可能になるし、それゆえに素晴らしいマネジメントがあるので、各種VCからの評価も高いだろう。

ただ、この会社、実はWoTの他に強みがないっていうのはある。コピーものが多く出ても依然タンクものでは世界一だが、ウォーシップスとエアプレーンが成功するかどうかに会社の存亡がかかっている。だが、こちらふたつはWoTほど展開が容易ではないと感じているゲーマは多いだろう。戦車に注目したセグメンテーションは有言実行だったが、戦艦や戦闘機のSTPは極めてセンシティブにならないと完成しないような「茶色い」要素があると思う。WoTが世界大会が開かれるぐらい、賞金がすごい額にのぼるぐらいすごいタイトルになったため、業務拡大に早急すぎると、キャッシュフローが悪うなって会社の運営資金に行き詰るような、多角化にシパーイする可能性が頑としてある。

それにしても東欧のゲームはやはり素晴らしい(マネジメント含めて…)技術を持っている。ガチでエンタメソフトウェア産業では世界一かもしれんな。

↑こんなんも発売してんのかよwww。